民主党を解党せよ
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NET-IBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、主権者政権を破壊した民主党には日本の政治刷新は委ねられないとした、10月3日付の記事を紹介する。
安倍政権の暴走に対して、主権者はどのように立ち向かうべきか。
安倍政権が戦争法を強行制定した。「戦争法」の表現はレッテル貼りであって誹謗中傷であるとの反論も聞かれる。しかし、日本が集団的自衛権を行使すれば、日本が外国から直接攻撃を受けていないのに、日本が他国との戦争状態に突入する可能性が生じるのであり、日本がこれまで維持してきた「専守防衛」の枠から逸脱することは明白である。
中東有事の際に、日本が自衛隊を派兵して、ペルシャ湾の機雷掃海を実施することは、国際法上の集団的自衛権の行使にあたり、敵対国は日本が武力行使に踏み切ったと判断することになる。日本は敵対国として攻撃の標的にされることになる。日本が直接攻撃を受けていないのに、日本が戦争に巻き込まれることになるわけで、これを「戦争法」と表現することは極めて順当である。
安全保障環境が変化して、集団的自衛権の行使が必要と判断するなら、憲法を改定し、その上で関連法規を整備するのが当然の対応である。憲法を改定せず、集団的自衛権行使を容認する法制を整備することは、文字通り、立憲主義を踏みにじるもので、政治権力の行為として正当性を持たない。
したがって、まずは、この戦争法制、安保法制を廃止することが求められる。集団的自衛権行使容認が必要であると考えるなら、まずは、憲法改定の提案を行い、これを議会で十分に審議するべきである。それが憲政の常道というものである。民主党の前原誠司氏が、国民連合政権を樹立して戦争法を廃止するとの共産党提案を批判している。(「安保法制は『廃止』ではなく『見直し』」)
これがいまの民主党の実態である。基本が自公の補完勢力なのだ。鳩山政権を破壊したのが民主党悪徳10人衆である。藤井裕久氏、渡部恒三氏、仙谷由人氏、菅直人氏、岡田克也氏、野田佳彦氏、前原誠司氏、枝野幸男氏、安住淳氏、玄葉光一郎氏が、鳩山政権の基本方針に反する行動を進めて、主権者政権を破壊した。普天間の県外、国外移設の方針に反する行動を示した。企業団体献金全面禁止の方針を潰した。官僚の天下り全廃を妨害した。消費税増税封印の方針を破壊した。これらの公約違反の行動が鳩山政権破壊、日本の政治刷新破壊の主因である。
この意味で、日本政治を破壊した罪の重さでは、いまの安倍晋三自民党よりも、公約違反の民主党悪徳10人衆の方がはるかに罪が重い。前原氏はこう主張する。
「今回の法律は日米間で合意された防衛協力の指針(いわゆるガイドライン)に基づいた国内法制の整備であり、単なる廃止ではアメリカと合意したガイドラインも反故にするということになります。
私は、日米ガイドラインは日米政府間で確認したものであり、尊重すべきだと考えます。
そうであれば、新たな法制をパッケージで提起する必要性があり、単なる「廃止」ではなく「見直し」、あるいは新たな案の「提示」でなければならないのです。」あきれてものが言えないとはこのことだ。この本末転倒を前原氏は理解できないのである。
前原氏は、こうも述べている。
「民主党は2009年8月の総選挙で政権交代を実現しました。政権交代をしたのだからと、対米関係でも「テロ特別措置法」に基づくインド洋における給油活動の中止、普天間飛行場の代替施設の見直し(最低でも「県外」、できれば「国外」)、日米地位協定の見直しなどを主張しました」
「今でも思い出すのは、当時のアメリカ政府の主張です。「テロとの戦いにおける協力も、沖縄の基地問題の合意も、オバマ政権が決めたものではない。ブッシュ政権から受け継いだものだ。我々は政権交代後も日米政府間の合意だから引き継いだのに、日本はなぜ政権交代だからと言って日米合意を覆そうとするのか」。とても重い言葉でした。」前原氏は民主主義の基本をまったく理解していない。国の重要方針を決定する権限を持つのは、政治家ではなく、主権者である国民である。政党や政治家は選挙の際に責任ある公約を示す。この公約を吟味して主権者が判断を下すのだ。主権者の判断により前政権の方針が覆されたなら、新政権はその主権者の判断に従って公約を履行する責任を負うのである。
他国に対しては、外交方針の変更が政権公約であるなら、民主主義の手続きに従って変更が生じたことを率直に説明し、理解を求めるのが政府の責務である。行政府が他国と行政上の協定を結んだとしても、その協定は法律より下位に位置付けられるものである。
そして、法律は憲法の制約下に置かれるものである。ガイドラインで決めたのだからガイドラインに合わない法律改変が許されない、ガイドラインで決めたのだから憲法に反してでも法律を制定する必要がある、などと考えるのは、基本的な本末転倒である。
だから、日本の政治刷新はこのような政党には委ねられないのだ。
政策を基軸に、主権者が主導して、一選挙区に一人の支援候補者を決めてゆく。所属政党は問わない。責任ある政策公約が何よりも大事なのだ。政策基軸、超党派、主権者主導で、政治刷新運動を実行してゆく以外に、この国の政治を刷新することはできないだろう。※続きは10月3日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1260号「政治刷新運動が政党でなく政策基軸であるべき理由」で。
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